公演の記録 第3回 一調一管「龍田」/狂言「縄綯」/能「隅田川」

本公演は、公演直前に発令されました緊急事態宣言により、やむを得ず中止いたしました第3回公演の振替公演にあたります。前回ご出演頂く筈でした皆様方、ご来場予定だったお客様方には大変なご迷惑をおかけいたしました事、改めてお詫び申し上げます。また、ここに至るまで3年という期間を要しましたにもかかわらず、ほぼ当初の番組通りの皆様方にご出演賜りますことは望外の幸せであり、心から感謝いたしております。
この3年の間、感染症の拡大により日常生活や経済活動には厳しい自粛が求められ、私どもの舞台活動も著しく制限されて参りました。今回はこの苦難の時を乗り越えての公演となります。同時に、世情に流されることなく如何にひたむきに此道に精進してこられたか、自他ともに問われる公演とも思っております。
第1回公演は「能一番を三人で」という思いを一番に考え、『野宮』という名曲に臨みました。そして、各々が初挑戦の大曲『熊野』膝行三段之舞・『射狸』に挑んだ第2回公演。
第3回公演では、さらに個々の力に焦点を当てることを考え選曲いたしましたが、一度延期となりましたことで、今の我々にとって、なお一層大事な意味を持つ番組になったと思います。
【硯修會】という名に込めた【虚心坦懐に我が身を修め舞台に望む】という初志を深く心に刻みつつ、大切に勤める所存でおります。
何卒ご高覧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


一調一管「龍田」

狂言「縄綯」

能「隅田川」

文:中野顕正(弘前大学助教)

写真:前島 吉裕 *写真の無断使用・無断転載は固くお断りいたします。

 
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